あらきまいさんを観に大和ミュージックへ

昨日は、あらきまいさんを観に大和ミュージックへ。大和ミュージックも前回の新宿ニューアートと同じく、活動初期から何回も行ってる思い出の多い劇場で、走馬灯に色んなことが蘇る。大和に行くときは、「相鉄デザインブランドアッププロジェクト」から生まれた横浜ネイビーブルーの電車に乗るのがいつも楽しみ。

https://www.sotetsu.co.jp/design-pj/

 

 省エネのため、ステンレス剥き出しで、塗装工程を省いた電車ばかりの昨今において、敢えてコストを掛けて車体に塗装を施し、反対を行くことを選択した相鉄。これは、ぼくの地元、関西を走る阪急電車が纏う阪急マルーンと阪急電鉄のブランド哲学をお手本にしたそうで、車両そのものがブランド、企業のアイデンティティを示すものという考え方に基づいたデザインだ。電車はもちろん駅構内のサイン、係員さんの制服までにも及ぶ一大プロジェクトだ。

 

 鉄道各社の相互乗り入れが盛んな首都圏では色んな電車が入り乱れて走っているため、他社の線路を走っている時でも、一目で相鉄と判り、電車を通じて「相鉄沿線に住んでみたい」と思ってもらえるようなブランドに育てたいという思いが、電車の外装、シンプルモダンな工業デザインを感じる内装から伝わってくる。JR埼京線内をブルー一色のこの電車が走ってるとテンションあがるもんね。JR線内でも一際目立っていて、乗れたら得した気分。ぼくは阪急の沿線文化に育まれてきたので、そんなブランドを目指す相鉄は特に応援したい。あと強烈な個性を放っている京急も。

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 今は体調不良とかで休まれてるTSミュージック所属の春野いちじくさんの写真を初めて撮ったのもここ大和ミュージック。寒い12月ごろだったと思う。細い華奢な字で「本日は大和ミュージックさんにて〜、外は寒くなりますので〜」と書いてくれたサインまで思い出す。ゆっくり休んで回復してほしいと思う。

 

 渋谷道頓堀劇場所属で引退してしまった希望のんさんも観に来たことがあって、最後に見たときは、見るからに体調不良をおして無理して踊っていて、見たその日に倒れて救急車で運ばれてしまった。希望のんさんの黒のカッコいい周年Tシャツもここで1回だけ着た記憶がある。踊り子さんも普通の女の子。当たり前のように10日連続で踊ったりしているが、身体をなにより大事にしてほしいと思う。

 

 そんなこんなで、思い出沢山の大和ミュージック劇場は、確かTSミュージック系列なので、受付で「今日のお目当ては?」と聞かれた。同じTS系列の池袋ミカドでは「今日は誰を観に来ましたか?」と聞かれる。TS系列の劇場ならではの面白い瞬間で「あらきまいさん!!」と力強く答えて入場した。TS系に来たって実感が湧く瞬間。確か、誰を観にきたかを「正」の字で集計されてたはず。スタンプカード(割引券も兼ねている)を持ってきたけど、13時までに入場する「早朝割引」が最もリーズナブルなのは、前回の新宿ニューアートと同じ。今回は12時過ぎに入場することが出来た。

 

 ところで、ここの社長さん(だったはず)で、投光もされてるハッシーさん、忙しいためか、いつも美味しそうに何かしら立ったまま美味しそうなものを、良い香りさせて食べてるイメージがあって、お会いするだけでお腹が減ってくる。池袋ミカド劇場の従業員さんはいつも忙しい合間に座ってカップ麺を食べてるイメージ。ハッシーさんはすごく気さくな方で、他の劇場のお話とか、23年の春に開通する相鉄と東急東横線の接続、横浜新線の話を伺ったりしてて、新横浜から大和ミュージックが劇的に近くなるとのことで、劇場もこれの恩恵をかなり受けそうですごく喜ばしい。大繁盛してほしいと思う。

 

 あらきさんは観に行く度に、さらに美しく、踊りも綺麗に進化していく感じで、特筆すべきなのは、休み明けの時、特に身体が締まってるように見えるので、いつも感心する。前に「休んでるから太ったんだとか思われたくなくて」と話されていたのを聞いたことがある。見えないところで相当な努力をされているはずで、そんなプロ意識を見習いたい。ぼくは正反対に外出した時に衝動的にこんなものを食べてしまって恥ずかしい、、

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 今回は「Passion」「金魚娘」「My Engel」の3つの作品を見ることができた。ちょっと前、7月中の東洋ショー劇場であらきさんを観た後に、そのあと続く7月結の川崎、8月頭の新宿ニューアート、8月結の大和ミュージックで見れそうな作品、つまり、この夏に見れそうな作品を予想していた「東京」「金魚娘」「No Looking Back」「My Engel」「Emerald」「エースをねらえ!」「Passion」だったので、全て的中した。書き残していなかったので証拠がないけど当たってとてもうれしい。書いておけばよかった。

 

 あらきさんが今回①③回目で踊っていた「Passion」は数年前の浅草ロック座の公演で踊っていた作品で、その後、7周年作の2つのうちの一つになっている。浅草の時は、まだ荒木まいさんだった頃で、個人的になんとなく注目していたぐらいで、まだポラ館でお話ししたこともなく、ひっそりとふらっと浅草に行って遠くから眺めていた感じだった。一緒に観に行った友人が「この人すごい良い顔して踊ってるね!」と絶賛していたのを覚えている。「ひっそりとふらっと」行ってるようで「実はしっかり彼女目当て」で観に行っていたんだと今なら分かる。2018年に川崎ロック座で観た「エースをねらえ!」を観た時以来、彼女の魅力が頭の中に焼き付いていたからだ。

 

 この作品は当時、清元玲奈さんという別の踊り子さんも浅草で踊っていて、それも観た記憶がある。その当時のお2人の踊りはそれぞれ素晴らしくて記憶に残っているけど、あらきさんの7周年作2つのうちの一つになった今のこの作品が間違いなく1番好きだ。勝手な想像だが、この時の浅草での公演が彼女の転機の一つになったのかな?と思う。色白で、可愛い系&美人さん系の両方を併せ持つ彼女だからこそ、カッコいい系がとても似合う。一番好きな「No Looking Back」はその代表作で、可愛い系で一番好きなのは「エースをねらえ!

 

 大和ミュージック1回目の6番目、つまりトリの踊り子として彼女が登場。暗闇の中でうっすらとシルエットが浮かび上がり、赤っぽい色、瞬間的に「Passion」と分かる。この時点で空気がピリッと引き締まる様な気がするのが彼女のすごいところで、オーラとか目に見えない纏うものというものはある様な気がする。この作品は彼女の凛とした美しさが際立つ作品で、色白で美人さんな彼女の魅力が全開だ。男勝りでカッコいい、けれどやっぱり女の子なんだなと感じる。そこが1番かわいくて好きなところ。この作品を①回目と③回目で2回も見れて大喜び。

 

 続いて②番目に踊ってた「金魚娘」これはもう日本の女の子の可愛らしさ全開の作品で、とても切なく美しい。日本の女の子の可愛らしさを表現することにおいて彼女の右に出る人はいないのではないか?とさえ思う。そしてそれが日本の男の心に1番刺さってくる。日本人に生まれて来て本当によかった。こんな美しい国はないと思う。「金魚娘」も何回も見たけど、今回は繊細な金魚さんが泳いでる表現とか「初めて見たような」気分にさせられた。彼女の踊りは、いつもこんな気持ちにさせてくれるから最高。今回は、撮影の際、楽日でもないのに「金魚娘」の衣装で、丸いカーペットまで敷いて金魚鉢まである「金魚娘」仕様で大喜び。彼女はいつもサービス精神に溢れていてとても楽しませてくれる。

 

 続いて④番目の最終回に観れたのが「My Engel」これは、あらきさんが所属する大阪にある東洋ショー劇場で引き継がれている作品とのことで、それにあらきさんのアレンジを加えたバージョン。究極の癒しの作品で「ストリップとは?」とか「何を求めて劇場に行ってしまうのだろうか?」の答えがこの作品に凝縮されているような気がする。優雅でとても美しいこの作品には、受け継がれてきた想いや歴史を確かに感じるし、その名の通り本当に天使さんが踊ってるかの様で最高に癒される。同時に、この作品、かなり難しい踊りというか、乗りこなす人を選ぶような、そんな厳かさも感じる。

 

 数年前、東洋ショーで初めて見たときは「難しそうな踊りだな、いつもの個人演目とは一味違う感じだな」が率直な感想だった。今はもう完全に乗りこなしてる感じで、作品の持つオリジナルの良さにあらきさんの良さが加わって、完璧な作品になっていると感じる。ちょっと前に池袋ミカド劇場で踊ってた時に、最終回がこの作品で、その日1日の疲れが吹き飛んで、多幸感に包まれた記憶がある。ストリップに求めているものは人それぞれだが、ぼくは間違いなく「癒し」を求めている。その時、この作品を観てそう確信出来た。2曲目からの可愛らしさ全開な部分が、あらきさんの良さが特に詰まってる感じで1番好きだ。

 

 ここからは長めの余談。疲れた人は読み飛ばしてくれ。日本のストリップ劇場の大半が東京近辺にあるため、大阪にある東洋ショー劇場は、間違えにくいようにするためか「大阪東洋ショー劇場」と書かれているのをよく目にする。しかし、この劇場名の「東洋」っておそらく「西洋」に対する「東洋」だと思う。かつての大阪は「東洋のマンチェスター」「天下の台所」「大大阪」と呼ばれていたこともあり、太古の昔には難波の津、つまり日本国初の首都があった場所。大阪城以前には、隆盛を極めた石山本願寺などもあったり、それを追い詰めた織田信長豊臣秀吉は日本一経済的に豊かだった当時の首都圏の中心地である大阪を手に入れることで、天下を獲ろうとしていた。

大阪日本一の時代が本当にあった!東洋のマンチェスターと呼ばれて / https://bushoojapan.com/jphistory/kingendai/2022/05/05/107093

 

 そして大阪は太古の昔から瀬戸内海の海運を通じて海外との交流が盛んだった。そんな歴史のある大阪だからこそ、世界を「西洋」と二分する「東洋」の中で1番の劇場を目指す意味が込められていたのではないだろうか?など、想像を巡らすと楽しい。劇場のネーミングが、創業時からすでに東京とか大阪とか日本の範疇を軽く超えていて、野心と夢を感じてとてもカッコいい。余談だが、日本の言葉も京都を中心に同心円状に広がったので、歴史的に見ても言語学的にみても関西の言葉&アクセントが最先端。繊細な感情表現なども一番豊かだしね。関西出身の人がどこに行っても関西の言葉を話してるのも、1番滑らかに話しやすいからというのがシンプルな理由。実は、関東地方で話されてる言葉は言語学的には1世代ぐらい古い言葉になる。

 

 そして、関西というより正確には近畿地方というのが正解なんだけど、この「近畿」とは天皇陛下がお住まいになれている地に最も近い地域という意味。まとめると「あらきさんがそんな歴史と伝統ある大阪の地にある東洋ショー劇場の看板娘でいてくれてとても嬉しい」地元愛からくる大いなる贔屓目がないと言ったら嘘になる。最初に2018年に目撃した川崎ロック座で「エースをねらえ!」の制服の腕に巻かれた腕章に描かれていた誇らしげな「東洋」の文字が今でも焼き付いている。すぐ色々サイトで調べて、こんな可愛い踊り子さんが大阪の劇場の踊り子さんなんや!とめちゃ嬉しかったのを思い出す。

 

 作品を観た後の彼女のオープンショーでは、踊り子さんとお客さんはこんな感じで

https://youtu.be/j0nqmpuCkz4

とても楽しい。

 

 今回の大和ミュージック劇場は、前回、あらきさんが乗ったとき以来なので1年ぶりぐらいに来た。前回の新宿ニューアートも大満足だったけど、今週もめっちゃ楽しめた。明日から奈良県への4泊5日の出張なので、今日はここまでにしておこう、、